競技かるた部活動報告〜その42〜
2017.09.01
7/31~8/2の三日間、宮城県塩竈市で行われた高校総合文化祭小倉百人一首部門に、高3の板垣慧治、鈴木虎次郎、渡邉慶太の3名が東京都代表選手として参加いたしました。
高校総合文化祭は文化部のインターハイと言われており、小倉百人一首部門では、東京都下の各校から厳しい予選を勝ち抜いて選ばれた8名の選手が東京都代表として団体戦を戦います。
7/31には交流会として、現地の高校生スタッフによる宮城県の名産などを題材にしたクイズ大会などが催され、全国各地から集まった選手たちを暖かくもてなしてくれました。また、宮城県のゆるキャラであるむすび丸も応援に駆けつけ、翌日からの戦いに向けて選手を鼓舞しました。
その後、翌日の予選リーグの組み合わせ抽選が行われたのですが、ここで、東京都は、福島県、滋賀県、岐阜県と同じブロックを引き当てます。
7月に行われたかるた甲子園こと高校選手権において、高校かるた界の時代の流れを変える初優勝を果たした福島県、同じくかるた甲子園で準優勝の東京都と、その東京都を準決勝でギリギリまで苦しめ、惜しくも三位入賞となった滋賀県、かるた甲子園トップ三県が、まさかの予選リーグで三つ巴になるとは、関係者誰もが頭を抱える抽選結果となりました。
しかし選手たちはあくまでも冷静で、夕食後のミーティングでも、自分たちは激戦区東京都からの選りすぐりのオールスターチーム、「いつも通り、俺たちが普通にやったら負ける訳がない」と、チームメイトであり、好敵手でもあるお互いへの信頼を確かめ合いました。
翌日8/1、いよいよ全国大会の火蓋が切って落とされました。
一回戦、vs福島戦を、なんと4-1で快勝、二回戦vs滋賀戦は、序盤四本押されていてこれはもう駄目かと思われましたが、逆転につぐ逆転で、4-1でドラマティックな勝利を挙げました。
予選リーグ最終戦の三回戦は、vs岐阜に5-0で快勝。
さらに、決勝トーナメント進出戦で、またしてもくじ運の妙で古豪静岡に当たりましたが、なんとか4-1で勝利して、辛くも翌日の決勝トーナメントに進出となり、いよいよ決勝トーナメントに進出する8校が出揃いました。
決勝トーナメント進出は、神奈川、埼玉、奈良、東京、宮崎、群馬、千葉、島根。
「まるで関東大会じゃないか」とは、複数の生徒の漏らした感想です。本当に、予選リーグの組み合わせによるところもあるとは言え、関東のかるた界の層の厚さが如実に現れた結果となりました。
8/2、何度も関東の個人戦の大会で顔を合わせている強者たちとの対戦を予期して選手たちが武者ぶるいをする中、決勝トーナメントが始まりました。
東京都は初戦vs奈良県、準決勝vs埼玉県、決勝はvs千葉県、それぞれの激闘を制した結果、堂々の優勝を果たしました。
これで、東京都は高総文8連覇となります。
しかし、全国のレベルは年々上がっており、他チームも予想以上に力をつけている中、今回の優勝はほとんど僥倖と言っても良いようなもので、相当に厳しい場面が何度もありました。
それでも最後の一枚をギリギリで自分のものにする、精神力、執念、プライド…「自分たちが東京の連覇を途切れさせるわけにはいかない」という、彼らの背負っているものの大きを思うと胸が詰まるようでしたが、だからこそ勝ち切れたという部分もきっとあったのだろうと思います。
そして、勝つべき場面できっちりと勝ちを決め、自分が出ていない試合でもいつも真剣な眼差しでチームメイトを見守り、支え続けた海城生3人の姿は、非常に立派なものでした。
きっとひたむきにかるたに懸けた彼らの高校生活の集大成として、いつまでも心に残る思い出となったことでしょう。
東京都チームは、8名のうち実に7名が高校3年生という、今まで三年間様々な場面で強敵としてしのぎを削ってきたからこその、とても仲の良い、息のあったチームでした。
来年は、一気にメンバーも変わり、若返ったチームになります。そのときには、現高2以下の、海城かるた部のルーキーたちが、また名誉あるメンバー入りできますよう、これからも日々の研鑽を重ね、精進したいと思います。応援してくださった皆様、どうもありがとうございました。